「ウイルスに感染しました!」
「今すぐ削除してください!」
「お使いのスマホが危険な状態です!」
突然、こうした画面が出てきて、びっくりしてしまった経験はありませんか。
大きな音や、赤く点滅する文字で、心臓がドキドキしてしまうほどの表示もあります。
でも、まず深呼吸してください。
こうした表示のほとんどは偽物です。あわてて画面を押さなければ、ほぼ大丈夫です。
この記事では、怪しいポップアップが出たときに、落ち着いて対処するための手順をやさしくまとめました。
画面が出ている最中の方も、これからのために知っておきたい方も、ご活用ください。
怪しいポップアップとは
まず、画面に出てくる怪しい表示の正体を知っておきましょう。
正体が分かれば、むやみに怖がらずに対応できます。
本物の警告ではないことが多い
「ウイルスに感染しました」と画面に大きく出てくると、本当に感染したのかと信じてしまいます。
でも、こうした表示のほとんどは「ただの広告」です。
本物のスマホは、ホームページを見ているだけでウイルスに感染することはほとんどありません。
画面に「感染しました」と書かれていても、実際には何も起きていない、というのが普通です。
表示が出ても、画面の中のボタンを押さなければ、たいていは何も起こりません。
これだけ覚えておくだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。
不安にさせて押させるのが目的
こうした表示の本当の目的は、あなたを不安にさせて、画面の中のボタンを押させることです。
押してしまうと、こんなことが起こります。
- あやしいアプリを入れさせられる
- 不要な有料サービスに登録させられる
- クレジットカード番号を入れる画面が出てくる
- 別のあやしいサイトへ誘導される
つまり、「画面の中のボタンを押さない」だけで、被害の多くは防げます。
これが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
よくある表示の例
実際にどんな表示が出るのか、よくあるものを見ていきましょう。
「あ、これ自分にも出たことがある」と気づくものがあるかもしれません。
ウイルスに感染しました
「お使いのスマホは○○個のウイルスに感染しています」
「すぐに対処しないと、大切なデータが失われます」
このような表示が出てきます。
具体的な数字(5個、10個など)が書かれていると、本当のように見えてしまいますが、すべてでたらめです。
本物のセキュリティソフトが、このような派手な表示を突然出すことはありません。
今すぐ削除・今すぐ修復
「今すぐ削除」「ただちに修復」「ここをタップしてください」
大きな緑色や赤色のボタンが、画面の中央に表示されます。
押したくなる気持ちになるよう、わざと目立つ色とデザインで作られています。
でも、このボタンは絶対に押さないでください。
押すと、あやしいサイトに連れて行かれたり、不要なアプリを入れる画面に誘導されます。
大音量や点滅であおる表示
突然、大きな警告音が鳴ったり、画面が赤く点滅したりすることもあります。
バイブレーション(振動)が止まらないこともあります。
これは、こちらを焦らせて、冷静な判断をさせないための手口です。
本物のスマホは、ウイルスを見つけたからといって、ここまで派手な反応はしません。
音や振動で驚かされても、「これは脅かすための仕掛けなんだ」と思い出してください。
出たときにまずやること
もし今、画面にこうした表示が出ている方に向けて、最初にやることをお伝えします。
あわてて押さない
これがいちばん大切です。
画面の中のどのボタンも、押さないでください。
「OK」も、「キャンセル」も、「閉じる」と書いてあっても、画面の中にあるボタンは押さないのが安全です。
怪しいポップアップは、どこを押しても次のあやしいページに進んでしまうように作られていることがあります。
まずは何も押さず、深呼吸してください。
閉じるボタンを探す
次に、画面の中ではなく、ブラウザ自体の「閉じるボタン」を探してみてください。
「ブラウザ」とは、ホームページを見るためのアプリのことです。SafariやChromeといった名前で入っています。
多くの場合、画面の右上や左上に「×」のマークがあります。
このブラウザの「×」を押すと、怪しい表示の出ていたページごと閉じることができます。
「×」が見当たらないときは、次の方法に進んでください。
それでも消えないときはブラウザを閉じる
画面が消えないときは、ブラウザのアプリそのものを閉じます。
- iPhone:画面の下から指を上にすべらせて、止めます。すると、開いているアプリの一覧が出てきます
- Android:画面の下にある四角いボタンを押すか、画面の下から指を上にすべらせます
出てきたアプリの一覧の中から、ブラウザのアプリ(SafariやChromeの画面)を、上にすべらせて画面の外に追い出します。
これで、ブラウザのアプリそのものが終了し、怪しい表示も消えます。
やってはいけないこと
怪しいポップアップが出たときに、絶対にやってはいけないことを3つお伝えします。
これだけは覚えておいてください。
表示内の電話番号に電話する
「サポートセンターにお電話ください」「03-XXXX-XXXX に至急ご連絡ください」
このように、画面に電話番号が出てくることがあります。
親切そうに見えますが、その電話番号は詐欺グループにつながります。
電話をかけると、流ちょうな日本語で対応されて、こんなことを言われます。
- 「修理のために、画面を遠くから操作させてください」
- 「サポート料金として、コンビニで電子マネーを買ってきてください」
- 「クレジットカード番号を教えてください」
これらは全部、お金やスマホの中身をだまし取るための手口です。
画面に出ている電話番号には、絶対に電話をかけないでください。
アプリを入れる
「修理のために、このアプリを入れてください」
「セキュリティのために、こちらをダウンロードしてください」
こうしたメッセージとともに、アプリのダウンロードを促してくることがあります。
でも、怪しいポップアップから促されたアプリは、絶対に入れないでください。
入れてしまうと、スマホの中の情報を抜き取られたり、勝手に操作されたりすることがあります。
本物のセキュリティソフトを使いたいなら、自分でApp StoreやGoogle Playを開いて、有名な会社のものを選んで入れれば十分です。
クレジットカード情報を入れる
「修理代金として、○○円のお支払いが必要です」
「年間プランをご契約いただくと、すぐに解決します」
このように、お金の話が出てきて、カード情報を入れる画面に誘導されることがあります。
絶対に、クレジットカード番号を入れないでください。
本物の会社が、突然のポップアップでカード情報を求めてくることはありません。
消えないときの対処
ブラウザを閉じても、また同じ表示が出てきてしまうことがあります。
そんなときの対処法をお伝えします。
履歴やタブを閉じる
ブラウザの中には、過去に開いたページを記録する「タブ」や「履歴」があります。
怪しい表示の出たページがここに残っていると、ブラウザを開き直すたびに同じ表示が出てしまうことがあります。
ブラウザを開いた状態で、画面の下のほうにある四角が重なったマークを押してみてください。
今開いているページの一覧が出てきます。
怪しい表示の出ているページがあれば、そのページの「×」を押して閉じてください。
すべてのページを閉じてから、ブラウザを開き直すと、安全な状態に戻ります。
ブラウザを再起動する
「再起動」とは、アプリを一度終了して、もう一度開き直すことです。
先ほどの「ブラウザを閉じる」の手順で、ブラウザのアプリを完全に終了させて、もう一度開き直してください。
これで多くの場合、怪しい表示は出なくなります。
必要なら再起動する
それでも消えないときは、スマホ本体を再起動してみてください。
電源ボタン(本体の横にある細長いボタン)を長く押すと、電源を切る画面が出てきます。
一度切って、しばらくしてから、また同じボタンで電源を入れ直してください。
「困ったらまず再起動」は、覚えておいて損のない知恵です。
もし再起動しても怪しい表示が消えない場合は、すでにあやしいアプリを入れてしまっている可能性があります。
心当たりのないアプリを見つけたら、削除してください。判断に迷うときは、家族やショップに相談しましょう。
ご家族の方へ
離れて暮らすご家族から「怪しい画面が出た」と連絡があったときに、役立つ伝え方です。
親に伝える最初の一言
親が動揺して電話をかけてきたとき、最初に言ってあげたい言葉があります。
「大丈夫、ほとんどは偽物だから。何も押さないで」
この一言だけで、親はずいぶん落ち着けます。
そのうえで、ゆっくり順番に対処を伝えてあげてください。
絶対に避けたいのは、「なんでそんなの押そうとしたの」「またおかしいの開いたの」と責める言い方です。
親はただでさえ怖い思いをしているので、まず安心させることが何より大切です。
遠隔で一緒に確認するコツ
言葉だけで伝わりにくいときは、こんな工夫が役立ちます。
- LINEのビデオ通話で、親のスマホ画面をこちらに見せてもらう
- 「今、画面にどんな文字が見えてる?」と一緒に状況を確認する
- 「画面の右上の×は見える?」と、押すべき場所を具体的に伝える
「一緒に見ているよ」という安心感があるだけで、親は落ち着いて操作できます。
親に教えるときの考え方は、家族で支えるスマホのページにもまとめています。
相談したいとき
「自分では対処できそうにない」「すでに何か押してしまった」というときは、無理せず誰かに相談してください。
家族に見てもらう
いちばん早いのは、ご家族に直接見てもらうことです。
離れていても、LINEのビデオ通話で画面を見せれば、状況を伝えられます。
近くにご家族がいないときは、信頼できる近所の方や、携帯電話会社のショップでも大丈夫です。
恥ずかしいことではありません。怪しいポップアップは、誰のスマホにも出てくるものです。
相談窓口を使う
「お金を払ってしまったかもしれない」「不安が強い」というときは、公的な相談窓口を使ってください。
- 消費生活センター(消費者ホットライン):188
- 警察相談専用電話:#9110
すでにお金を払ってしまった、被害が出ている、という場合は、最寄りの警察署に直接相談するのが確実です。
早く動くほど、解決の可能性は高くなります。
最後に
怪しいポップアップは、誰のスマホにも突然出てくるものです。
驚いてしまうのは当然のことで、あなたが悪いわけではありません。
大切なのは、「画面の中のボタンを押さない」
「電話番号には電話しない」
「困ったら家族や相談窓口を頼る」
この3つを覚えておくことです。
これさえ守っていれば、怪しいポップアップに被害を受けることは、ほとんどありません。
もしポップアップで「このアプリを入れてください」と表示された場合も、その場では絶対にインストールしないでください。安心して使えるアプリの見分け方はアプリを入れるときの注意点|安全に使うための確認方法にまとめています。
SMSやメールでも、似たような手口が使われています。
あわせて押さえておくと、家族みんなで安心できます。
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