スマホに突然、「お荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました」「ご利用料金の未払いがあります」といったメッセージが届いて、ドキッとしたことはありませんか。
身に覚えがなくても、自分の名前や住所が当たっていそうに見えると、つい本物かと思ってしまうものです。でも、そうしたメッセージの多くは「詐欺SMS」と呼ばれるニセモノです。
この記事では、詐欺SMSの見分け方、もしタップしてしまったときの対処法、そして家族で予防するためのコツを、やさしい言葉でまとめました。
詐欺SMSは、いま誰のもとにも届く時代
「自分は大丈夫」と思っている方ほど、要注意です。
詐欺SMSは、電話番号さえ分かれば誰にでも届けることができます。送り手は何百万件と一斉に送っているので、特定の誰かを狙い撃ちしているわけではありません。
よくあるのは、この3つのパターン
とくに親世代に届きやすいのは、次の3つです。
- 宅配便のなりすまし:「不在のため持ち帰りました」「再配達はこちらから」
- 銀行・カード会社のなりすまし:「ご利用を一時停止しました」「本人確認のお願い」
- 携帯電話会社のなりすまし:「お支払いが確認できません」「契約情報の更新が必要です」
どれも「急がないと大変なことになる」と思わせる文面なのが特徴です。慌てさせて、考える前にリンクをタップさせるのが目的です。
「自分の名前」が入っていても、本物とは限らない
最近は、文面に氏名や住所の一部が入った詐欺SMSも増えています。
これは「ターゲットの個人情報をすでに入手している」のではなく、過去に流出した情報をリストとして使っているだけのことが多いです。「名前が入っているから本物」とは限らないと覚えておいてください。
詐欺SMSを見分ける7つのポイント
「これって本物?」と思ったら、次の7つを順番にチェックしてみてください。
ひとつでも当てはまったら、まず詐欺を疑うのが安全です。
1. 差出人の番号が、いつもと違う
本物の宅配会社や銀行から届くSMSには、決まった番号や差出人名があります。
「+1」「+44」など海外の番号から届いているもの、あるいは見覚えのない携帯番号から届いているものは、ほぼ詐欺と考えてかまいません。
2. リンク先のアドレスが、公式と違う
本物のメッセージは、必ず公式サイトのアドレスを使います。
たとえばヤマト運輸なら kuronekoyamato.co.jp、佐川急便なら sagawa-exp.co.jp のように、最後が 会社名.co.jp や 会社名.jp になります。
リンクの前後に、見慣れない英数字や記号が入っている場合は危険です。
たとえば kuroneko-yamato.xyz や kuro-neko.tk のような、本物に似せた偽アドレスがよく使われます。
3. 文面の日本語が、どこかぎこちない
「お荷物が お届け できません でした」のように、不自然な区切りや改行があるもの。
丁寧すぎる言い回し、逆に妙にぶっきらぼうな言い回しが混じっているもの。
こうした違和感のある日本語は、詐欺SMSの大きな特徴です。
4. 「急いで」「すぐに」と急かしてくる
「24時間以内に手続きしてください」「本日中にご対応がない場合、口座を停止します」など、急がせる文面は要注意です。
本物のお知らせは、ふつうは時間に余裕があります。あわてさせる文面は、考える時間を与えないための仕掛けだと思ってください。
5. 個人情報やパスワードを求めてくる
本物の宅配会社や銀行は、SMSのリンク先で暗証番号やパスワードを聞くことはまずありません。
クレジットカード番号、銀行の暗証番号、SMSで届いた認証コード ── これらを入力させようとするものは、ほぼ詐欺です。
6. 短縮URL や、見たことのないアドレス
bit.ly/xxxx のような短縮URLや、ローマ字の羅列のような短いアドレスは、リンク先がどこに飛ぶか分からないので危険です。
本物の宅配会社や銀行は、短縮URLを使ってお知らせを送ることはほとんどありません。
7. アプリのインストールや、認証コードを求めてくる
「専用アプリをインストールしてください」「届いた認証コードを入力してください」と求めてくるSMSは、特に危険です。
偽アプリには、スマホの中身を勝手に送信したり、別の詐欺SMSを大量に送りつけたりする機能が入っていることがあります。SMSから誘導されるアプリは、絶対にインストールしないでください。
もしタップしてしまったときの対処法
「リンクを押してしまった、どうしよう」と慌てても大丈夫です。
押しただけでは、すぐに被害につながることは多くありません。落ち着いて、次の手順で確認していきましょう。
まずは深呼吸して、何もしない
開いてしまった画面で、慌ててボタンを押したり、何かを入力したりしないでください。
「危険です」「ウイルスに感染しました」と表示されても、それ自体が詐欺の続きです。そっと画面を閉じるだけで大丈夫です。
何も入力していない場合(多くはここで止められます)
個人情報やパスワードをまだ入力していないのであれば、
1. 開いた画面を閉じる
2. 詐欺SMS自体を削除する
3. 念のためスマホを再起動する
これだけで、ほとんどの場合は大丈夫です。
個人情報やパスワードを入力してしまった場合
カード番号や銀行の暗証番号など、お金に関わる情報を入力してしまったときは、すぐに次の連絡をしてください。
- クレジットカード会社:カード裏面の電話番号へ。利用停止と再発行の手続きをします
- 銀行:通帳に書かれた電話番号、または公式アプリのお問い合わせから連絡。口座の凍結や監視を依頼します
- 家族:一人で抱え込まず、すぐに家族にも共有してください
「もう遅いかも」と思っても、早く連絡するほど被害を最小限にできます。恥ずかしがらず、必ず連絡してください。
アプリをインストールしてしまった場合
「インストールしてください」と書かれたボタンを押してしまったら、すぐにそのアプリをスマホから削除してください。
iPhone の場合:アプリを長押し → 「Appを削除」
Android の場合:アプリを長押し → 「アンインストール」
削除後も心配なときは、家族や携帯ショップで一緒に確認してもらうと安心です。
家族で予防するためにできること
詐欺SMSは、本人だけで防ごうとせず、家族全体で見守るのがいちばん効果的です。
「変なメッセージが来たら、まず家族に見せて」と伝える
親に普段からこの一言を伝えておくと、迷ったときに相談してもらいやすくなります。
「自分で判断しなくていい」と思えるだけで、慌ててリンクを押してしまうリスクが大きく減ります。
「困ったら家族に電話」のルールを共有する
「お金の話、暗証番号の話、口座の話が出てきたら、まず私に電話して」と、ルールとして家族みんなで決めておきましょう。
本物の銀行や宅配会社は、親が家族に電話して相談してから対応しても、まったく問題ありません。急いで対応する必要があるお知らせは、ほぼ存在しません。
連絡先を、見やすいところにメモしておく
親のスマホの近くに、次のような連絡先を紙で貼っておくと安心です。
- 家族の電話番号(息子・娘・配偶者など)
- かかりつけの銀行の電話番号
- 使っているクレジットカードの裏面に書かれた連絡先
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」
困ったときに紙を見ればすぐ連絡できる、という状態を作っておくのが大切です。
怪しいSMSを見つけたら、家族で共有する
「こんなSMSが来たよ」と家族のLINEグループなどで共有しておくのもおすすめです。
親世代に届く詐欺SMSは、家族にも同じパターンで届いていることが多いものです。お互いに最新の手口を知っておくことが、いちばんの予防になります。
大切なのは「あわてないこと」
詐欺SMSの一番の目的は、あなたを「あわてさせること」です。
あわてさせて、よく考える前にリンクを押させ、個人情報を入力させる ── これが詐欺のしくみです。
逆にいえば、「変だな」と思ったときに一呼吸おくだけで、ほとんどの被害は防げます。
困ったら、リンクを押す前に:
- 家族に見せて相談する
- 本物の連絡先(公式サイトや通帳に書かれた番号)にこちらから電話して確認する
- 消費者ホットライン「188」に相談する
このどれかをすれば、大切な情報やお金を守ることができます。
同じように、スマホを使っていて突然「ウイルスに感染しました」などの警告画面が出ることがありますが、その多くも同じ詐欺のしくみです。あわてず閉じる手順は「ウイルスに感染」の偽警告をあわてず安全に閉じる手順にまとめています。
関連する記事もあわせてどうぞ
詐欺対策や安全に関する他の記事もご用意しています。気になるところから読んでみてください。
安心・詐欺対策の記事をもっと見る
家族で支えるスマホの記事を見る
よくある困りごとから探す
「変なメッセージが届いたとき、すぐに見返せる手元のメモがあると安心」という方には、印刷できる無料ガイドもご用意しています。親御さんに渡しておけば、一人のときでも落ち着いて対応できる助けになります。
無料ガイドを受け取る
スマホの詐欺や安全対策をまとめて確認したい場合は、スマホの詐欺・安全対策|困ったとき一覧も参考にしてください。
親に渡せる「スマホやさしい入門ガイド」を無料配布中です
スマホの基本操作や、LINEの使い方、困ったときの確認方法などを、親世代にも分かりやすい言葉でまとめた無料PDFです。
印刷してゆっくり確認したい方や、家族で一緒に見ながら進めたい方にもおすすめです。